悪徳商法その他、危険な取引の被害に遭わないために
霊感商法・霊視商法とはどんな商法?
(1)霊感商法・霊視商法
霊感商法・霊視商法とは、占い(人相、手相、氏名の字画など)をするなどと称して接近し、先祖の霊(因縁)がついているなどと述べて人を不安な心理状態に陥れ、それにつけ込んで、印鑑、壺、掛け軸などを売りつける商法をいいます。各家庭を訪問する場合もあれば、展示会と称して一か所に誘い込んで販売する場合もあります。
最近は、悩みごと相談などと記載したパンフレットを新聞折り込みなどで広告し、相談者を集めて、先祖のたたりとか水子のたたりなどと述べて、人を不安に陥れ、それから救われるためには祈祷をする必要があるといって法外な祈祷料を支払わせるなどの商法もあり、これを霊視商法と呼んでいます。
いずれも、宗教や霊といった超自然的なものを利用し、人を心理的な不安に陥れて金員を出させる点では同じ手口といっていいでしょう。
(2)特定商取引法による救済
販売している商品が、特定商取引法の適用される政令指定商品で、訪問販売や街頭で呼び止めて営業所等に同行し、あるいは目的を告げず電話等で営業所等に呼び出したりするやり方であれば、同法によるクーリングオフができます。契約書などの法に定められた書面を受け取った日から(その日も含めて)8日以内であれば無条件解約ができます。しかし、購入した商品が政令指定商品でなかったり、相手の営業所で契約を締結した場合は同法の適用がないので注意が必要です。
(3)その他の救済
霊感商法では、販売員や霊能者と称する者が、何人もよってたかって取り囲み「先祖の霊の因縁」について害を説いたりして強い不安感を与えます。また、霊視商法では、奇妙な雰囲気の部屋で祈祷師から同様に「因縁」などを説かれて不安な気持ちにさせられます。いずれも、こうした不安感を与えて商品を購入させたり、あるいは祈祷を受けないと、自分や自分の家族にいかなる不幸がおよぶか分からないと信じさせ、又は畏怖させるわけですので、詐欺、又は脅迫に当たる場合もあり、これらの場合は契約を取り消すことができると考えられます。また、このような商法は公序良俗に反する行為で、取得した代金・祈祷料が法外な暴利行為であれば同じく公序良俗に反する行為として無効であるといえます。 ところが、これらは巧みに仕組まれている場合が多く、一般に立証が困難で解決にも費用と時間がかかる場合が多いと思われますので、日ごろからこうした商法にはひっかからないように、誘いがあっても断り、近づかないことが肝要です。
(4)消費契約法との関係
販売員や霊能者と称する者が、消費契約法第4条にいう「不実行為(虚偽説明)」困惑行為などに該当する行為をしている場合は、他の商法の場合と同じく、追認できるときから6か月以内であれば、その契約を取り消すことができます。