■暴力団対策法第9条で禁止している27の不当要求行為
指定暴力団員がその威力を示して、次のような不当要求行為(平成24年改正で、禁止行為が21から27に拡大。赤太枠は新たに追加されたもの、下線部は内容が変更されたもの)を行った場合は、直ちに警察に通報するか熊本県暴力追放運動推進センターに御相談ください。このような行為を行った暴力団員に対しては、熊本県公安委員会が「中止命令」等を発出し、これに従わない場合は刑事事件として処罰できることになります。(暴力団員を利用した者も同じ)
また、不当要求行為の内容次第では、指定暴力団員であると否とにかかわらず恐喝事件等として処罰できることもあります。
暴力団対策法第9条で禁止している27の不当要求行為
1.口止め料を要求する行為
人に対して、企業や団体の不正な経営内容や異性問題のスキャンダル等、人に知られていない事実の宣伝又は公表にかこつけて、口止め料として金品等を要求する行為
2.寄附金や賛助金等を要求する行為
人に対して、寄附金・賛助金、その他名目のいかんを問わず、みだりに金品等の贈与を要求する行為
3.下請参入等を要求する行為
建設工事等の請負業務に関連して、その発(受)注者が拒絶しているにもかかわらず、下請参入、資材の納入等の受入れを要求する行為
4.縄張り内の営業者に対して「みかじめ料」を要求する行為
縄張内で営業を営む者に対して、あいさつ料、ショバ代等の名目で、その営業を営むことを容認する対償(見返り)として金品等の供与を要求する行為
5.縄張り内の営業者に対して用心棒代等を要求する行為
縄張内で営業を営む者に対して、日常業務用の物品購入、興行の入場券・パーティ券等の購入、用心棒代等を要求する行為
6.利息制限法に違反する高金利の債権を取り立てる行為
金銭を目的とする消費貸借上の債務で、利息制限法に定める利息の制限額を超える利息の支払いを伴うものについて、債務者に対し、履行を要求する行為
7.不当な方法で債権を取り立てる行為
人から依頼を受け、報酬を得て又は報酬を得る約束をして、債務者に対し、乱暴な言動を交えたり、迷惑を覚えさせるような方法で訪問したり、電話をかけるなどして債権を不当に取り立てる行為
8.借金の免除や借金返済の猶予を要求する行為
人に対して、金銭を目的とする消費貸借上の債務や家賃、購入した物品の代金等の全部又は一部の免除や履行の猶予をみだりに要求する行為
9.不当な貸付け及び手形の割引を要求する行為
金銭貸付業者以外の者に対して、みだりに金銭の貸付け、手形割引等を要求し、又は金銭貸付業者に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、貸付け、手形割引等を要求する行為
10.不当な信用取引を要求する行為
証券会社に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、有価証券の信用取引を行うこと、又は著しく有利な条件により有価証券の信用取引を行うことを要求する行為
11.不当な株式の買取り等を要求する行為
株式会社に対して、みだりに自己株式の買取り又はそのあっせんを要求したり、株式会社の取締役、監査役、株主に対しその者が拒絶しているにもかかわらず、買取り、あっせんを要求する行為
12.不当に預金・貯金の受け入れを要求する行為
銀行等に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、預金・貯金の受入れを要求する行為
13.不当な地上げをする行為
正当に使用する権利に基づいて、建物や敷地を使用している者に対し、その意志に反してこれらの明渡しを要求する行為
14.土地・家屋の明渡し料等を不当に要求する行為
土地、建物を占拠したり、自己の氏名を表示したり(支配の誇示)して、所有者件、担保権者等が拒絶しているにもかかわらず、支配の誇示をやめることの見返りとして明渡料等を要求する行為
15.宅建表者に対し、不当に宅地等の売買・交換等を要求する行為
宅建業者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、宅地等の販売・交換をすること、又は売買・交換・賃借の代理・媒介を要求する行為
16.宅建業者以外の者に対し、宅地等の売買・交換等を要求する行為
宅建業者以外の者に対して、宅地等の売買・交換をすること、又は人に対して宅地等の賃借をみだりに要求する行為
17.建設業者に対して、不当に建設工事を行うことを要求する行為
建設業者に対し、その者が拒絶しているにもかかわらず、建設工事を行うことを要求する行為
18.不当に集会施設等を利用させることを要求する行為
暴力団の示威行事の用に供されるおそれが大きい集会施設等の管理者に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、その施設を利用させることを要求する行為
19.交通事故等の示談に介入し、金品等を要求する行為
人から依頼を受け、報酬を得て、又は報酬を得る約束をして、交通事故等の示談交渉を行い、損害賠償として金品を要求する行為
20.因縁を付けての金品等を要求する行為
人に対して、買った商品、受けたサービスの欠陥等を口実に損害賠償等の名目で、あるいは有価証券の売買で損害を被ったと因縁をつけて損失補てんを要求する行為
21.許認可等をすることを要求する行為
行政庁に対し、許認可等の要件に該当しないのに許認可等をするよう要求したり、不利益処分の要件に該当するのに不利益処分をしないよう要求する行為
22.許認可等をしないことを要求する行為
行政庁に対して、許認可等の要件に該当するのに許認可等をしないよう要求したり、不利益処分の要件に該当しないのに不利益処分をするよう要求する行為
23.公共事務事業の入札に参加させることを要求する行為
国・地方公共団体等に対して、国・地方公共団体等が行う売買、賃借、請負等の契約の入札に関して、参加資格がない者や指名基準に適合しない者を入札に参加させるよう要求する行為
24.公共事務事業の入札に参加させないことを要求する行為
国・地方公共団体等に対して、国・地方公共団体等が行う売買、賃借、請負等の契約の入札に関して、参加資格がある者や指名基準に適合する者を入札に参加させないよう要求する行為
25.人に対し、公共事務事業の入札に参加しないこと等を要求する行為
人に対して、国・地方公共団体等が行う売買、賃借、請負等の契約の入札に参加しないこと又は一定の価格その他の条件で入札の申し込みをすることをみだりに要求する行為
26.公共事務事業の契約の相手方とすること等を要求する行為
国・地方公共団体等に対して、その者が拒絶しているにもかかわらず、自己や自己の関係者を国・地方公共団体等が行う売買、賃借、請負等の契約の相手方とすること、又は特定の者を契約の相手方としないことをみだりに要求する行為
27.公共事務事業の契約の相手に対する指導等を要求する行為
国・地方公共団体等に対し、国・地方公共団体等が行う売買、賃借、請負等の契約の相手方に、下請け等の発注や資材・物品を納入させるように指導・助言等をすることをみだりに要求する行為