■各種対応の手引き
ドライバーのための暴力団対応10則(その1)
車社会にあって、あなたもいつ、どこで、どんな交通事故にあうか分かりません。もし、交通事故の相手が暴力団であったら、あなたならどうしますか! 物損・人身事故にかかわらず、暴力団はその機会を「カネがとれる」チャンスと考えています。暴力団からの交通事故に伴う不当要求には、次のような「10則」を参考にして、恐れず、冷静・沈着に対応してください。
1.物損事故、人身事故のいずれも、まずは100パーセント警察へ届け出る。
暴力団のたくらみ
暴力団は、交通事故原因の良否に関係なく「警察が知ったらカネにならん」と考え、うまく丸め込もうとして、脅したり、すかしたり、なだめたりして警察に届けないようにし向けてきます。
対応
人身事故はもちろん、物損事故であっても原因の良否、けがや損害の程度にかかわらず、まずは、すべて警察に届け出る。
2.当事者間での現場解決は厳禁。
暴力団のたくらみ
暴力団は、「まず、相手に少しでも非を認めさせる」ため、わずかな金額で現場解決を図ろうとしてきます。それにのってしまうと、後日、事務所に呼ばれたりして「あのとき非を認めたじゃないか、あれからこうなった、あんなわずかな金ですむと思うとっとか」などと責め立ててきます。
対応
「警察に届け、保険会社の担当、弁護士等に相談して対応させていただきます」等と言って、現場での金銭解決は絶対にしない。
3.事故の当事者が暴力団と分かったら、恐れず逆に冷静に。
暴力団のたくらみ
「最初が肝心、一発かませろ」と言った具合にして高圧的に出てくるのが暴力団の常とう手段。脅しのため、殊更に暴力団であることを強調します。
対応
相手が暴力団と分かったら、普通の人は「とんでもない相手と事故を起こしてしまった」と思い恐怖心から気が動転してしまいます。しかし、そこが暴力団のねらい目です。「相手がそうなら、うかつな約束はできないぞ」と、腹をくくり、かえって冷静に対応する。「警察に届けるのを先にします、後は弁護士等に相談します」等と恐れを見せない。
4.相手と、相手の車を確認する。
暴力団のたくらみ
暴力団は、自己に非がある場合は特に自分の住所、氏名を語らず、「いま、急いでいるから、あんたの名前と電話番号を教えろ」等と、相手のみを確認してその場を収め、後日、組事務所等に呼び出し、逆に過大な損害金を請求したりします。
対応
「警察に届けます。あなたの免許証も見せてください。」と言って相手を確認するとともに、相手の車名、車両番号も確認する。
5.示談交渉の前に、暴力追放運動推進センター等に相談する。
暴力団のたくらみ
暴力団は、事故が警察に届けられていても、警察が「示談交渉には介入しないこと」を知っています。「相手が警察に届けたなら仕方がないが、示談には警察は関係しないから、この際、ぶんどってやれ」等と考えています。
対応
交通事故の場合は、まず保険会社が相互の過失割合などを検討して妥当な責任配分によって判断します。示談の前に、暴力追放運動推進センターに御相談ください。暴力団が不当な要求をするようであれば、「示談については保険会社又は弁護士に相談させていただきます」と言って直接の示談を避けることです。