熊本県暴力追放運動推進センター

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暴力に負けない心と知識

相談実施状況

令和6年度 暴力追放相談実施状況

1 令和6年度の相談件数・内容
 令和6年度の暴力追放相談件数は1,618件で、前年より327件の増加となります。
 相談の多くは電話によるもので、相談の内容は、取引相手が暴力団関係者ではないかといった各種事業からの暴力団排除に関するものが最も多く、その他不法行為、離脱に関する相談などを受理しています。

2 特殊詐欺・SNS型投資・ロマンス詐欺に注意!
 暴力団対策法や暴力団排除条例の施行以来、警察の強力な取締りと全国的な暴排気運の盛り上がりにより、暴力団の勢力は徐々に衰え、暴力団の伝統的な資金源とされた繁華街の飲食店に対する「みかじめ料」や「用心棒代」などの徴収も少なくなってきています。
 そういった中で、暴力団等が新たな資金源として目を付けたのがオレオレ詐欺等の特殊詐欺です。令和6年に警察が検挙した全国の特殊詐欺の犯人は2,320人でした。そのうち、暴力団関係者は403人で全体の17.4%と前年とほぼ同数です。
 その中で、主犯被疑者として検挙された58人中20人(34.5%)が暴力団関係者であり、暴力団関係者が主導的な立場で特殊詐欺に深く関与しています。令和6年中の全国の特殊詐欺の被害額は約721.5億円に上り、この膨大な金額の多くが暴力団の資金源になっていることがうかがい知れます。
 特殊詐欺の手口としては、被害額が大きい順から「オレオレ詐欺(452.8億円)」、「架空料金請求詐欺(131.9億円)」、「還付金詐欺(64.7億円)」となります。
 中でも「オレオレ詐欺」の被害額が452.8億円(前年比+319.3億円)と、令和5年の全体の被害額まで急増しています。

 また、近年は犯人の手口も巧妙になっており、下4桁の電話番号が「0110」と、警察署が使用する電話番号で着信を入れ、着信番号から相手を「警察」と誤信させて、警察官になりすまし、
 「詐欺グループの捜査中、家宅捜索で見つかった大量のキャッシュカードの中に、あなたの名義が見つかった。あなたの銀行口座が『オレオレ詐欺』に使われている。」
などと説明し、動揺した相手に、テレビ電話等で「逮捕状」や「警察手帳」を示すなど、手の込んだ偽造工作を行い、金銭をだまし取る手口なども発生しています。
 本物の警察が、SNSやテレビ電話で、「逮捕状」や「警察手帳」を示すことはありません。しかし、最初の着信の下4桁の電話番号が「0110」であったことから、動揺して冷静さを失い、相手の誘導にだまされたというケースが多く見られます。

 このように警察官をかたる詐欺電話の対応策としては、
 ・ 着信番号の下4桁のみをもって警察と判断しない
    ※ 国際電話を利用した場合は、頭に「+」があり、そこで見破る
    ※ 出た後でも、一旦電話を切って、着信番号をよく確認する
 ・ 本物の警察官は、捜査している相手(犯人)に、事件の内容を説明しない
    ※ 「逮捕状」や「警察手帳」を示すことはあり得ない
    ※ 一旦、電話を切って、家族や地元警察に確認する
 ・ 在宅中でも迷惑防止付きの留守番電話に設定
    ※ ナンバーディスプレイを使う
    ※ 携帯電話でも登録していない電話番号には不用意に出ず、留守番機能を使う
などの対策を講じて、未然に被害を防止しましょう。

 また、近年はSNS型投資・ロマンス詐欺の被害が拡大しています。SNS型投資詐欺とは、フェイスブックやインスタグラム、X(旧ツイッター)といったSNSを通じて指定先に送金させ、通話や対面がないまま完結するのが特徴です。
 ロマンス詐欺とは、SNSをきっかけに恋愛感情を抱かせた上で投資などを持ちかけて金銭をだまし取る行為です。警察庁は、令和6年中のSNS型投資・ロマンス詐欺の被害発生状況についても公表しましたが、SNS型投資詐欺の認知件数が6,380件(前年同期比+4,109件)で被害額が871.0億円(前年同期比+539.1億円)、ロマンス詐欺が3,784件(前年同期比+2,209件)で被害額が約397.0億円(前年同期比+219.7億円)と、いずれも前年から大きく増加しています。
 投資詐欺は、「元本保証」や「毎月8~10%の配当」、「絶対儲かる」等の殺し文句で勧誘をして来るものと思われます。そのようなおいしい話は断じてありません。投資は、金融商品の価値が投資資金より下がる事で、元本割れする可能性があるのが大前提です。【投資はそんな甘いものではない】と肝に命じて頂きたいと思います。

3 不当な購入要求ははっきりと断ろう!
 最近、右翼や社会運動を標榜する者から、高額な機関誌や書籍の購入及び寄附金を要求する電話がかかり、明確に断り切れずに「本が送ってきた。」という相談が増加しています。曖昧な返事(「はぁ」「はい」等)で相手の話を聞き続けると、断るチャンスを逃していまいます。さらには「けっこうです。」「いいです。」との返答は、相手が容認したと解釈し、本が送りつけられる可能性が大きいです。
 不要な物は、「いりません。」「断ります。」と、はっきりと断りましょう。
 更には、注文をしていない冊子が送られてきて、「無料」となっているので気にせず放っておいた方から、「無料の冊子が数か月送られていたが、突然、購読料金の請求書が送ってきた」との相談があります。このケースの場合は、よく確認してみると「次回(2回目)からは有料」などとの記載があることが多く、このような「送りつけ商法」の商品は、「売買契約に基づかないで送付された商品」であることから、代金を支払う必要はなく、相手から商品の返還を求められても応じる必要はありません。

4 躊躇することなく相談を!
 暴力団は、時代の変化に応じ、多種多様な資金源活動を行っています。
 このような特殊詐欺や高額な機関誌の売りつけ等の被害に遭わないよう注意することはもちろんですが、通常の生活をする中で突然、自宅や職場に電話がかかってくるかもしれません。平素からこれらに対抗するための心構えを持っておくことが重要です。
 心構えを持っていても、暴力団関係者と思われる者からの不当要求やトラブル等で「相談したが良いのでは」という心配に駆られることがあるかもしれません。
 そのような場合は、躊躇することなく当センターへご連絡ください。

暴力相談窓口

年度別相談受理件数

年度別相談受理件数

相談実施状況

年度別相談受理件数

令和2年度
857
令和3年度
1,704
令和4年度
1,079
令和5年度
1,291
令和6年度
1,618

令和6年度 相談受理件数1,618件の詳細

相談事案の対象者種別

指定暴力団
4
不明
1,614
合計
1,618

相談方法

電話
1,543
面接
70
文書・メール
5
合計
1,618

相談処理状況

センターで解決
1,610
警察へ引継ぎ
4
弁護士会へ引き継ぎ
3
打ち切り
1
合計
1,618

相談場所

センター
1,611
熊本市役所
7
合計
1,618

相談種別の受理件数

離脱・勧誘・加入強要に係る相談
7
民事訴訟に関する相談
3
不当な行為に関する相談
31
暴力団対策法に関する相談
8
その他の暴力関係相談
1,569
合計
1,618
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