暴力相談事例
相談事例1
多重債務で返済に苦慮していたところ「低利で融資する」との封書が届いた。
【相談者】53歳 男性 商業
【概要】私は、消費者金融5社に約300万円の負債があり、その金利の支払に苦慮していた折、私宛に東京都内の金融会社から「消費者金融への返済は大変でしょう、弊社が低利で融資するから、それで一括返済し、低利な弊社への返済で一本化して楽になりませんか。」との葉書が届き「渡りに船」と思い早速その相手先に連絡したところ「確実に融資するが、その代わり保険に入ってもらう」等と保険料として現金を振り込むように言われている。現在、銀行に保険料の振り込みに来ているが、振り込む相手先が会社名の口座ではなく、個人名になっているが、この話を信用しても良いか。
【指導・助言】融資保証金詐欺について説明。借金の担保代わりの保険、振込先が個人名など融資保証金詐欺の疑いが濃厚。絶対に振り込まないように指導。振り込みを中止して警察に詐欺未遂として被害届を出すように助言。
相談事例2
多重債務で返済に苦慮していたところ、債務の一本化を勧めるDMが届いた。
【相談者】35歳 女性 アルバイト
【概要】数社の消費者金融から約350万円の債務があり、その債務の一本化を勧めるDM葉書が届いた。消費者金融よりも極端な低利であったので、早速350万円の融資を申し込んだ。相手は、「融資枠がとれた、ついては後日返還するのであなたの信用度を確認するため」と言って1割の35万円の振り込みを要求され、要求どおり相手の指定する銀行の個人口座に振り込んだ。その後も同様に担保に代わる「保険料」名目で振り込みを要求してきています。会社であるはずなのに個人名の口座に振り込ませるなど、どう考えても騙されているのではないかと思うようになりました。もし、そうであれば金を取り戻したい。
【指導・助言】融資保証金詐欺について説明。融資保証金詐欺の被害者になっている。早急に警察に被害を届けるよう指導。消費者金融への返済方法については、収入等からして裁判所の特定調停制度等の活用を指導。〜被害金を取り戻すには、警察捜査の結果、犯人が判明した後の請求に〜
相談事例3
政治団体の構成員と称する男から高額図書の購読を要求された。
【相談者】45歳 男性 会社員(総務課長)
【概要】建設会社の総務課長。今日、政治活動をしているという男から「北方領土の返還運動をしているが、5万円の書籍を運動に協力するつもりで購入してくれ。」と要求されました。聞くところによると前任者にも購入を要求してきて1回だけという約束で購入したところ、次々に寄附とかを要求してくるので困ったということです。その要求を私が強く断ったところ「街宣車で来てもいいか」などと脅します。私は「少し考えさせてください」と言って返事を留保していますが、今後はどのようにう対応したらよいか教えてください。
【指導・助言】暴力団が社会運動や政治活動を仮装・標ぼうして企業等に高額図書の購入を強要して資金獲得の一つとしている実態を説明。必要でないと思った商品は、相手が誰であれ恐れることなくキッパリと断ること、消費者契約法の規定についても指導。これ以上脅迫的な購読要求があれば恐喝未遂として警察に被害届を出すこと及び、直ちに情報として警察に一報を入れておくように指導。
相談事例4
同和団体を名乗る男からの書籍の購入を断ったら勝手に送りつけてきた。
【相談者】47歳 男性 公務員
【概要】私は市役所の職員ですが、私個人に同和団体を名乗る人物から人権問題を特集した書籍を購入するように要求されました。私は必要でなかったから断ったのですが、相手は私宛に勝手に書籍を送りつけてきました。代金も4万9000円ということで振り込み用紙も入っていますが、どう対応したらいいか。
【指導・助言】購入を承諾していない、一方的な送りつけ行為については、売買契約の成立が否定され、代金の請求に応じる必要はないし、商品を送り返す義務もない。未開封であれば、「受取拒否」で配達人に持ち帰ってもらう。
特定商取引に関する法律第59条では、「売買契約に基づかないで送付された商品については、その送付した商品の返還を求めることができない」と規定されていることを説明。
相談事例5
同和の団体員を名乗る者から現場事務所のリース契約を要求されている。
【相談者】52歳 男性 建設業
【概要】私は、公共工事を受注し工事をしている現場の責任者です。同和団体を名乗る男が、発注元の自治体の職員に「この工事の現場責任者に俺のところまで電話をさせよ」といってきているとの連絡を受け、指定された電話番号に電話をかけたところ「プレハブの現場事務所のリース契約をせよ」とのことでした。現場事務所は既に会社で用意してあるし「そんなものはいらない」と断ったところ、その男は「現場周辺からいろいろな苦情が来ている、これを全部そっちに電話をさせて責任がとれるのか」などと脅迫的なことを言いますが、今後どうしたらよいでしょうか。
【指導・助言】えせ同和行為者の活動は、暴力団の典型的な資金獲得活動であることを説明。いかなる団体であろうと必要でないものはキッパリと断ること、脅迫するようであれば恐喝事件にもなりかねないことをアドバイス。(刑事事件の証拠収集要領を指導)現場に苦情がないのに同和団体に苦情が行っているなどは、えせ同和行為者がよく使う脅しの常套手段、このような行為は犯罪であることを説明。脅迫が続くようであれば恐喝未遂の被害で警察にも相談しておくように指導。